何か踏んでしまうということ2007/09/03 22:28

ヒマワリ畑、うしろに見える建物は、「きのこ研究所」

 先日夜中に、大学2年になる愚息が、夜食を食べようと台所に立ち入ったところ、何か黒いモノをグニュっと踏んだそうだ。野菜の切れ端かと思って、床を見るとゴキブリだったとか。

 彼は大のゴキブリ嫌いで、発見すると睡眠中でも強引に父親を起こして、早く捕獲するようにと命令する。それほど意気地のない愚息なので、グニュっと踏んだ時は、さぞかし慌てたことだろう。ざまあみろ、という思いが多少湧いてきた、父親なのに・・・。

 そういえば、最近は、犬の糞も飼い主がスコップで拾い上げて土に埋めるか、持参のスーパーの袋に入れて持って帰るかするので、滅多に踏むことはないが、昔は、よくやったものだ。あれは、踏んだ者でないとわからない特殊な感情が沸き起こる。

 やはりグニュっと来て、少しすべる。あっと思った瞬間、このまま死ねたらいいのに、と天を見上げて絶望的な気持ちになる。すぐさま傍の雑草に一生懸命靴底をすりつけて、なんとか家に帰るまでに拭いてしまいたいと渾身の力を振り絞って、前後左右に足を動かす。

 しかし完全には無理なので、まるで人生の挫折を味わったかのような気分で、家に帰って、外でゴシゴシ洗うのだ。そういえば、家内は、梅雨時、家の中で、ナメクジを踏んだことがあった。どんなリアクションだったかは、本人の名誉もあるので、書くことはひかえる。

思い出2007/08/19 21:35

自宅庭のレモンの実

 写真は、自宅庭になったレモンの実だ。今年は、7個なんている。多いときは13個ほど実らせて、家内にジャムを作ってもらった。他にラズベリー、ブルーベリーなどがある。ジャムにするほどたくさんできないので、庭に水をやるときに、つまんで味わっている。

 小学生の頃、父の転勤で一年超田舎に住んでいたことがあった。学校に行くまでに梨棚やイチゴ畑、さらにすもも畑の中を歩いていく。実が熟す頃には、甘酸っぱい香りに誘われて、少年Mはいつのまにかすももに手を出していた。

 生まれて初めて、人のものを盗んだ。しかし、家に侵入した訳ではないので、さほど罪意識はない。赤く熟したすももを一かじり・・・、口の中に広がるみずみずしい、甘酸っぱい味にはブルっときた。

 少年Mは、さらに赤いすももを、そしてさらにまた一つと辺りを見回しながら、むさぼり食べるのだった。

 そういうわけで、あの日と同じ出来事が自分の庭にも起こらないとも限らないので、必ず、一日一回レモンの数を数えている。

今日まで休み2007/08/16 10:01

落羽生の枝先に群がったセミの抜け殻

 5日間の休みは、どこにもいかなかった。家内の実家も、自宅から自転車で15分。帰る田舎もなく、金もなく、近場で暇つぶした。と言っても、昨日は、光化学スモッグ注意報が発令された午後、家内と月刊誌の表紙の撮影を自宅庭でした。

 あ~っ、一昨日は2008年カレンダー用の写真の選別をしてた。何もやっていないようで、ちゃんと仕事してるから、これでよしとしないと。収入があまりにも少ないので、何をやっても手応えがない気がして、少し焦っているのかもしれない。

 晩年、キャンバスに絵筆を走らせていた親父の姿が、時折目に浮かぶ。誰かに胸の内を聴いて欲しい。親父が生きていたら、どんな会話をかわしただろうか?親父とはほとんど話しらしい話しをしなかっただけに、この年になって、身の振り方で戸惑いを覚える。「こうすれば、道が開けるかもよ。何していいかわからなくなったら、しばらくジッとしてろ」とかなんとか、言ってくれ。

 今日も、生きている。午後は、家内と回転寿司を食って、本屋行って気分転換するか。なんとか生きている証拠を残さないと、親の後ろ姿を見ている子どものために・・・。