鈴虫2007/09/05 21:46

筑波山・女体山山頂からのぞむ関東平野

 昔の話だが、友人宅に遊びに行った。鈴虫を飼っていて、いい音色で、リ~ンリ~ンと鳴いている。秋の夜長に、あのチンチロリンをひとりで聞くと、日本有史以来、育まれてきたしっとりとした風情、情感に浸ることができるに違いないと思った。

 聞くところによると、外人は虫の音を聴くと雑音にしか聞こえないそうだ。なんと気の毒なデリカシーのない・・・、と軽蔑し、日本人に生まれてよかったと思った。

 早速、友人に5匹ほど譲ってもらった。エサのやりかたも教わり、空いている水槽を引っ張り出してきて、スタンバイ。一時間もすると、慣れてきたのかリ~ンリ~ンと鳴きだした。家族で食い入るように中をのぞき込み、鈴虫の様子をうかがう。

 さて、今晩から涼しい音色を聴きながら、安眠だとウキウキしながら床についた。寝入ってしばらくすると、り~んり~んと一斉に合唱が始まった。部屋中に響き渡り、うるさくて眠れない。しかも次第に音量が増す。風情も何もあったものじゃない。ただの雑音にしか聞こえないではないか。

 さすがにイライラして、風呂場に閉じこめて、ドアーを閉めてしまった。やっと安眠できるとホッとしたが、なんのために鈴虫を飼うのか疑問が出てきたら、また眠れなくなった。

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